「会社のメリット・デメリット」が書かれた本、「会社のつくり方」が書かれた本は、今までにもありました。
しかし、税理士の方が書いている本が多かったため、会社の税金面のメリットが大きくクローズアップされ、表現などが専門的になりがちでした。 その点をもっとシンプルに、かつ、まったく知識のない方にも読みやすく表現したいと思っていました。
また、会社のつくり方も、解説が少なめで、実際にどのように書類をつくれば良いのかわかりにくいものも多くありました。 さらに、書式もダウンロードできないなど実際に活用していくには不便なものもあったので、それらを解決できる「時代に左右されない最高の会社設立本を作りたい!」という想いから、できあがった本です。
今回の本のテーマは「会社設立」ですが、堅苦しい法律の本ではありません。 ただ法律や手続の話を書くだけであれば、私でなくても、会社設立を仕事にしている方であれば、誰でも書けます。
しかし、そうならないように、私にしか書けない経験から学んだノウハウや経営に対する考え方などを随所に盛り込んでいます。
単なる法律の専門書や手続本にならないように、あくまでビジネス書として読んでいただけるように、全力を尽くして書き上げました。
個人事業者の方はもちろん、起業を志すビジネスマン、すでに会社を経営している社長にも役立つ本です。 ぜひご覧いただければ幸いです。
「会社を設立をしたほうがいいのでしょうか?」
私は、行政書士・社会保険労務士という仕事柄、これまでにこのような質問を何百回と受けてきました。 それに対して私は、「会社を設立したほうがいい」とはっきりお伝えしています。 会社にしたほうが、メリットがたくさんあることがわかっているからです。
あなたもきっと、「会社をつくったほうがいいんだろうな」ということを心のどこかで感じて、この本を手にとったのではないでしょうか。 でも、躊躇してしまうのは、「どうしていいのかわからない」「お金や手間がかかりそう」「会社にしてうまくいくか不安」などが理由になっているからなのでしょう。
ですが、そんなことは心配しないでください。会社設立は意外と簡単で、費用や手間も以前ほどかからず、受けられるメリットがたくさんあるのです。
ただし、メリットばかりではないので、本書を読んでしっかりと検討してください。 なぜかというと会社設立のタイミングは、人それぞれに異なるからです。すぐに会社を設立すべき人もいれば、5年後、10年後、20年後という人もいるのです。
本書は、個人事業者が来たるべき会社設立のタイミングがいつなのかを考え、どのような会社にするかを検討し、そして設立手続きを理解してもらう本です。 つまり本書の主な対象者は、個人事業者の方です。
もう少し詳しくいうと、現在個人事業者として事業を立ち上げ、いつかは会社にと思いながらも、そのタイミングがつかめずにいる方たちです。 もちろんそれだけでなく、これから起業するにあたって個人事業か会社かで迷っている方にも、大いに役立ちます。
第1章では、会社を設立することのメリットをお伝えします。税金面だけではなく、会社にすることのメリットをさまざまな角度から考えます。
第2章は、会社設立にあたり知っておきたいことです。会社は個人事業者に比べて費用や手間がかかります。それが、あなたにとって負担になるのかを考えます。
第3章では、会社設立時に、どのようなことを考えて、準備を進めていくのかを説明しています。実は、会社設立はこの部分がキモなのです。それにもかかわらず、この点を深く書いている書籍は、ほとんどありません。ここが本書の大きな特徴です。
第4章では、会社設立の手続きをお伝えします。私が実際に使っている書式例(ダウンロードできます)を示し、あなた自身で手続ができるようになっています。
第5章では、会社設立時に生じるよくある疑問を解説しました。私の経験上、多くの方が疑問に思う点は共通しているので、重要なものを厳選して紹介しています。
本書を読んで、「会社設立をしたくなった」「会社設立は思ったより簡単そうだ」と思っていただけたら、私の試みは成功です。あなたが会社設立をきっかけに、自分の目標を達成し、ビジネスを成功させれば、それはあなたの周りの人をも幸せにし、ひいては、日本や世界が元気になることにもつながるはずだからです。
会社設立の入口へようこそ!どうぞ最後までお付き合いください。
はじめに
掲載書式のダウンロード方法
会社設立までのチャート
第1章 あの人が会社をつくった本当のワケ - 会社設立のメリット
- 1 個人事業のままでいると損なのか?
- 2 会社であれば個人の財産を守れるのか?
- 3 同じ金額を稼いでも税金に差が出るのか?
- 4 家族がいるとさらに税金に違いが出るのか?
- 5 退職金を利用すると税金が安くなるのか?
- 6 会社で生命保険に入ると税金が安くなるのか?
- 7 自宅を社宅にすると税金が安くなるのか?
- 8 消費税を一定期間支払わずにすむのか?
- 9 事業を後継者に引き継ぎやすくなるのか?
- 10 会社にすると社会的な信用力が増すのか?
- 11 資金調達がしやすくなるというのは本当か?
- 12 社会保険に加入できると得なのか?
- 13 事業を成功させるために大切なものとは?
第2章 会社をつくる前に絶対に知っておきたいこと - 会社設立の費用と手間
- 1 会社にするには何が必要になるのか?
- 2 交際費に上限ができてしまうのか?
- 3 赤字でも税金を払わないといけないのか?
- 4 社会保険料の負担額は増えるのか?
- 5 会社をつくるにはどれくらいかかるのか?
- 6 個人事業に比べ必要経費は増えるのか?
- 7 事業に対する責任が重くなるのか?
- 8 税務署などの役所の目は厳しくなるのか?
- 9 会社にするかどうか判断の決め手はあるのか?
第3章 これで万全!会社をつくるダンドリ作戦 - 会社設立の準備
- 1 会社をつくったあとに後悔することはあるのか?
- 2 会社の形態はどのタイプを選べばいいのか?
- 3 会社の名前はどのように決めればいいのか?
- 4 事業目的はどのように決めればいいのか?
- 5 本店所在地はどのように決めればいいのか?
- 6 資本金はいくらにすればいいのか?
- 7 決算月はどのよに決めればいいのか?
- 8 出資の配分はどのように決めればいいのか?
- 9 会社運営の仕組みはどうつくればいいのか?
- 10 役員の任期はどのように決めればいいのか?
- 11 会社の設立日はどのように決めればいいのか?
- 12 人を雇用すると助成金を活用しやすくなるのか?
- 13 1人でできないときはどうすればいいのか?
第4章 はじめてでも安心してできる会社のつくり方 - 会社設立の手続き
- 1 会社をつくる手順はどのようなものなのか?
- 2 会社を設立するにはいくらかかるのか?
- 3 会社の印鑑はどのようなものが必要なのか?
- 4 定款はどのようにつくればいいのか?
- 5 会社ををつくるにはどんな書類が必要なのか?
- 6 定款の認証はどのようにすればいいのか?
- 7 資本金の払い込みはどのようにすればいいのか?
- 8 登記の申請はどのようにすればいいのか?
- 9 会社設立後にも必要な手続きがあるのか?
第5章 多くの社長が迷い困った悩み事を解決する - 会社設立後の疑問
- 1 会社設立後の疑問にはどのようなものがあるのか?
- 2 会社への名義変更はどうすればいいのか?
- 3 名刺はどのようにつくれば効果的なのか?
- 4 会社を知ってもらうために用意すべきものは?
- 5 経営理念はつくらないといけないのか?
- 6 従業員はいつごろから雇えばいいのか?
- 7 会社が時代を超えて生き残るために必要なこととは?
おわりに
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